円安・物価高の主犯は「放漫財政」ではない!

国際供給ショックを無視した論理破綻を暴く

デマと決めつけから日本経済を救う

現在の円安と物価高騰をめぐり、「日本の**放漫財政(巨額の国債発行高)**こそが円通貨の下落を招き、輸入物価高を生んだ主犯だ」という決めつけが横行しています。

しかし、この主張は国際経済の構造的変化日本の財政の特殊性という決定的な事実を無視した論理的破綻をきたしています。本稿では、この「放漫財政犯人説」を厳しく追及し、真の円安・物価高の原因を明らかにします。


円安の真の主犯は「決済のための外貨需要」である

為替レートは、国内の財政規律だけで動くほど単純ではありません。現在の円安は、「国際的な供給ショック」という外部要因によって引き起こされた実需に基づくものです。

輸入品の「ドル建て価格」急騰が全ての起点

放漫財政犯人説が無視しているのは、以下の時間軸価格の性質です。

  • 問うべき事実: 円安が深刻化する前に、ウクライナ紛争やOPEC+の減産などにより、原油、天然ガス、穀物といった輸入原材料の「ドル建て価格」がまず先に急騰しました
  • 厳しく追及: 「国内の財政が原因なら、なぜ国内景気に左右されるサービス価格ではなく、エネルギーや食料品といった輸入依存度の高い品目ばかりが突出して値上がりしたのか? 円安になる前からドル建て価格が高騰していたという事実をどう説明するのか?」

実需に基づく「円売り・ドル買い」圧力の無視

日本は資源輸入大国であるため、輸入決済には主に米ドルを使います。ドル建て価格が高騰すれば、決済に必要なドルの総額が膨れ上がります。

  • 決済メカニズム: 日本企業や銀行は、この増大したドル需要を満たすため、市場で**「円を売ってドルを買う」実需に基づく行動を増やしました。この強力な円売り圧力が、現在の円安の決め手**です。
  • 厳しく追及: 「日本の国債は円建てで安定的に国内消化されており、海外投資家が財政不安から円を大量に売却している証拠がない。現在の円安は、財政規律の問題ではなく、国際価格高騰という外的な要因に起因する決済の実需によるものだと認めざるを得ないのではないか?」

「国債異常説」はドイツ・ハイパーインフレ論と同じ構造的誤り

国内の国債発行残高を円安の主因とする主張は、歴史的な教訓と現代の通貨構造を混同した、短絡的な批判です。

ドイツの「対外強制力」との決定的な違い

ドイツのハイパーインフレは、国内の財政ではなく、外貨で支払う必要があった巨額の対外賠償金という国際的な強制力が紙幣の無制限発行を招いたものです。

  • 厳しく追及: 「日本の財政を放漫と批判するにしても、ドイツのような**『通貨の信頼を犠牲にしてでも外貨を調達しなければならない』**という決定的な構造的圧力が現在の日本にあると証明できるのか? 円建てで国内保有されている国債の問題と、外貨建の賠償金の問題を混同するのは、論理のすり替えではないか?」

市場の「通貨の信認」の判断の無視

もし財政破綻懸念が円安の主因であれば、市場は円の信認を失い、日本の国債金利は暴騰しているはずです。

  • 厳しく追及: 「あなたの主張が正しいなら、なぜ日本の長期金利は他の先進国と比べて依然として比較的安定しているのか? これは、海外の市場参加者が日本の通貨の信認が崩壊しているとは判断していない動かぬ証拠であり、『放漫財政=円崩壊』という因果関係が成立していないことを示唆しているのではないか?」

金融政策への誤った批判の追及

「日銀が金融緩和を続けるからいけない」という批判も、インフレの性質を理解していません。

  • インフレの形態: 現在は、需要が弱い中でコストが押し上げるコストプッシュ型インフレです。
  • 厳しく追及: 「景気が弱い中で、財政批判を根拠に**金利を急激に上げる(利上げする)**ことは、輸入コスト高に苦しむ企業や家計の借入負担を増やし、**国内景気を不必要に冷え込ませる(スタグフレーション)**リスクを招くだけではないか? コストプッシュ型に効くのは、金利ではなく、政府による補助金などコストの直接的な緩和ではないのか?」

デマに惑わされず、真実を見よ

「放漫財政が円安・物価高の原因」という決めつけは、国際的な供給ショックと実需メカニズムという明白な主因を無視し、国内の責任追及という短絡的な結論に飛びついたものです。

現在の危機は、日本が資源輸入国である構造的な宿命と、グローバルな地政学的リスクが為替市場に反映された結果です。私たちは、根拠の薄いデマに惑わされることなく、真の原因に目を向け、政府には**コストを直接的に和らげる政策(補助金など)**を求めるべきです。

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